福井・尾張熱田間に独自の郵便路線を開設した福井県|明治4年 2022.08.06 日本郵便史の知識 郵便会所(福井県)による独自の郵便制度郵便創業は明治4年3月のことでしたが、当初は東海道のみに限定され、全国展開はまだ先のことでした。そこで福井県は明治4年10月ころには独自に新しい郵便の導入を図ったことが知られています。まず、同10月の日付で、木版刷りの「越前郵便之定」を管内に配布しました。現
菊切手の発行とその時代の郵便はがき|明治32年 2022.08.05 日本郵便史の知識 菊切手の発行明治32年1月から新しい普通切手の発行が始まりました。折からの国粋主義的風潮を背景に、菊花紋章を図案の中央に配し、英語の国名表記も廃された「菊切手」と呼ばれるシリーズでした。菊はがきの登場菊切手に先立ち、明治31年12月に、同一図案の料額印面をもつ、「菊はがき」が発行
ヴォーリズ建築を改装した旧局舎|旧醒井郵便局 2022.08.02 レトロ郵便局舎 旧醒井郵便局の概要醒井(さめがい)郵便局は中山道の醒ヶ井宿に位置する郵便局です。主要な幹線上にあったこともあり、明治5年2月1日と開局時期は早いのですが、明治17年6月末に一度廃止されてしまいました。今回の醒井郵便局につながる郵便局は明治34年2月1日に新設された局で、昭和61年10月まで集配局
旭川湖が一望できる昔ながらの現役局舎|垪和簡易郵便局 2022.07.31 レトロ郵便局舎 垪和簡易郵便局の概要垪和(はが)と読みます。中世に美作国垪和郷があった場所で、岡山県美咲町・久米南町・岡山市北区建部にわたる地域を指します。垪和郵便局ができたのは大正8年1月21日のことです。当初は三等無集局でしたが、昭和13年から昭和57年にかけては集配局でした。しかし昭和57年9月20日に集
ノスタルジーを感じさせる右書き郵便局看板 2022.07.30 郵便局舎の鑑賞 切手の国名表記や消印の局名表示などをみていても、昭和20年代までに右書きの習慣がほとんどなくなり、左書きの郵便局名表記が一般的になりました。ここでは戦前にできたレトロ郵便局の出入り口に掲げられた看板のうち、右書きのものばかりを集めてみました。堂々とした楷書体のもの、エレガントな雰囲気の隷書、軽妙洒脱
1枚1枚が味わい深い左書きの郵便局看板 2022.07.30 郵便局舎の鑑賞 レトロ郵便局を訪問してみつけた左書きの郵便局看板を一挙にご紹介したいと思います。郵便局看板の制作年代は特定が難しいことが多いのですが、ここに示すものは左書きのため、概ね昭和20年代後半以降のものが中心的に思われますが、中には平成以降に付け替えが行われたものも含むものと考えられます。定数調査を試みたわ
19世紀末に始まった年賀特別取扱|明治32-33年 2022.07.29 日本郵便史の知識 年賀特別取扱の最初年始早々に普段の何十倍もの郵便物が集中するため、明治32年12月、取扱量が多い郵便局を指定し、年賀郵便の特別取扱を開始しました。12月20日から30日までに指定の郵便局に年賀状を差し出せば、1月1日イ便すなわち元旦一号便の日付印を押印します。配達局は、それらをまとめて元旦に一斉
御所まち近世景観街道の赤塚邸|旧御所郵便局 2022.07.29 レトロ郵便局舎 旧御所郵便局の概要奈良県中央部に位置する御所(ごせ)は大阪府との県境をなす金剛・葛城山麓に位置する町であり、江戸時代から伊勢街道・竹内街道や高野街道の要衝にあたり、古くから商業のさかんな場所(特に菜種油と大和かすり)でした。御所市内の集配局である御所郵便局の歴史も古く、明治4年12月20日に御所
新たな郵便の聖地-郵便名柄館|旧名柄郵便局 2022.07.29 レトロ郵便局舎 旧名柄郵便局の概要池口小太郎と聞いて、作家の堺屋太一氏(1935-2019年)のことだとわかる方はかなりの通なのではないでしょうか。名柄郵便局は明治35年11月16日に名柄郵便受取所として設置され、明治36年12月5日に郵便電信受取所に改定、さらに明治38年4月1日に三等無集局に改定されました。
郵便創業期の遺構の貴重な現存例―松本家住宅|旧茗荷郵便局 2022.07.28 レトロ郵便局舎 旧茗荷郵便局の概要奈良・茗荷(みょうが)郵便局は明治5年6月1日開局(『局所原簿』)の茗荷郵便取扱所を起源とし、明治8年1月1日に五等郵便局に改定されました。明治19年4月16日に三等郵便局となってからは典型的な地方の集配三等局・集配特定局として歩み、令和に入ってもなお集配業務を継続している局で
レトロ郵便局舎を引き立てるシンボルツリーの数々 2022.07.27 郵便局舎の鑑賞 郵便局とシンボルツリーレトロ郵便局の敷地内にはさまざまな種類の樹木が植えられています。景観を高める効果、防風林や屋敷森としての効果、郵便局舎の権威を高める効果、郵便局の利用客のプライバシー保護のためなど、さまざまな効果が期待されます。また、植物の種類によっては当然見ごろの時期も異なります
奥会津の豪商 細井家が経営した三等局|旧静川郵便局 2022.07.26 レトロ郵便局舎 旧静川郵便局の概要会津の地に郵便がもたらされたのは、郵便創業から1年後のことでした。当時、中央にあった大蔵省駅逓寮は全国各地に巡廻掛を派遣し、各府県の郵便掛と協議しながら、郵便取扱所の設置や取扱人の選定などを行っていたのですが、若松県に巡廻掛が派遣されたのは明治5年3月でした。初代局長にあたる細