日本の絵はがきの裏面デザインと法令の変遷による年代特定方法

絵はがきの裏面デザインは、まったく任意に製造された様式ではなく、その時代の郵便制度や郵便法規の影響を色濃く映し出したものです。それぞれの時代において施行された法令や社会の変化に伴い、絵はがきの形式や使い方も変化してきました。本記事では、裏面デザインを5つの時期(I期~V期)に分類し、特徴とともに法令の変遷について詳細に解説します。絵はがきの年代特定は、この分類を基準としつつ、使用切手や消印、紙質、印刷技法など、他の要素も併せて検討することが正確な特定に繋がります。以下、各時期の特徴と時代背景を紹介します。

Ⅰ期

絵はがき宛名面の書式の変遷1期

1900年(明治33年)10月1日〜1907年(明治40年)3月31日
宛名面の通信文は不可

Ⅱ期

絵はがき宛名面の書式の変遷Ⅱ期

1907年(明治40年)4月1日〜1918年(大正7年)3月31日
下部1/3以内の通信文可

Ⅲ期

絵はがき宛名面の書式の変遷Ⅲ期

1918年(大正7年)4月1日〜1933年(昭和8年)2月14日
下部1/2以内の通信文可

Ⅳ期

絵はがき宛名面の書式の変遷Ⅳ期

1933年(昭和8年)2月15日〜1946年(昭和21年)12月26日
「きかは便郵」→「きがは便郵」

Ⅴ期

絵はがき宛名面の書式の変遷Ⅴ期

1946年(昭和21年)12月27日~
日本国憲法発布記念絵はがきから「郵便はがき」左書きになる

*ここでは便宜的に絵はがきの宛名面の書式によって発行時期をI期~V期に分類しました。
*上記の書式にそわない絵はがきもあります。年賀状はいつの時代も線のないI期のような仕様の絵はがきが存在します。

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