「肥前浜宿の歴史的な町並み」(国の重要伝統的建造物群保存地区)の中にある旧浜郵便局

旧浜郵便局の概要

浜町郵便局がある浜町は、江戸時代には多良街道の宿場町として、また有明海沿岸の港町として繁栄していました。陸路と海路の接点であり、物流の起点ともなったこの地域は、江戸から明治にかけて商業の中心地でした。現在では町の中心が現市街地に移りましたが、当時の発展を反映して、街道筋には歴史的な町並みが残り、「肥前浜宿の歴史的な町並み」として国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。保存修復活動も行われており、地域の歴史的な価値を守っています。

浜郵便局の旧局舎について

旧浜郵便局の建物は、昭和初期に建てられましたが、その隣には江戸時代の継場(継立場)の建物も残っており、江戸時代から通信業務の歴史を今に伝えています。この旧郵便局の建物は保存物件として登録され、修復作業を経て、現在は住民の活動拠点である八宿公民館として利用されています。昭和50年(1975年)に新しい郵便局ができるまで使用されていたこの建物は、昭和55年(1980年)以降、八宿公民館となりました。建物は寄棟造で瓦葺、平入りの構造で、外壁は下見板張りにペンキが塗られています。洋風建築でありながらも、窓は正面が上げ下げ窓、側面が引き違い窓という和洋折衷のデザインです。1階は郵便局時代の事務室部分で、玄関が突出し、表側1間通りが土間となっていました。2階には14畳と12畳の畳敷きの部屋が2つあり、背後には切妻造瓦葺の平屋が接続しています。この平屋は元々宿直室であったとされ、建物の一部は郵便局建設以前から存在していた可能性が高いです。

旧浜郵便局

旧浜郵便局の詳細情報

浜郵便局は、佐賀県に位置し、明治5年(1872年)4月に、郵便取扱所として設置され、当初は「鹿島」という名称で業務を開始しました。その後、明治7年(1874年)7月に名称が「浜村」に改称されました。さらに、明治8年(1875年)1月1日に五等郵便局に改定され、明治13年(1880年)4月には現在の「浜郵便局」という名称に改称されました。その後、明治19年(1886年)4月26日に三等郵便局に改定されました。

昭和16年(1941年)2月1日には、特定郵便局に改定され、業務範囲と役割が拡大されました。平成2年(1990年)10月1日には、集配業務が廃止され、その業務は鹿島郵便局に引き継がれました。旧浜郵便局

旧浜郵便局(八宿公民館)のアクセス

所在地
〒849-1322
佐賀県鹿島市八宿5695-1

アクセス
徒歩:JR九州・長崎本線「肥前浜駅」から徒歩6分
車:長崎自動車道「武雄北方IC」から約19.4km。または、「嬉野IC」から約17.5km

旧浜郵便局

浜郵便局の基本情報

白壁土蔵造りの町家や蔵にある町の郵便局として今も地域の社会インフラとしての役割を果たしています。

所在地
〒849-1322
佐賀県鹿島市浜町乙2671

浜郵便局の沿革
明治05.04.- 設置 郵便取扱所 設置名称「鹿島」
明治07.07.-「浜村」と改称
明治08.01.01 五等郵便局に改定
明治13.04.- 現名称に改称
明治19.04.26 三等郵便局に改定
昭和16.02.01 特定郵便局に改定
平成02.10.01 集配廃止  引継:鹿島

佐賀・浜郵便局(昭和35年)

沿革は『日本郵便局名鑑 』森 寿博 編著/武田 聡 追補/鳴美、2021年より。

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