モダニズム建築の広島逓信局庁舎|逓信省技師 上浪朗

(図版協力:安藤源成氏)

広島と岡山が争った逓信局誘致

広島逓信局は逓信省の中国地方の管理機関です。モダニズム建築の庁舎は昭和7年3月5日着工し、昭和8年3月に竣工しました。所在地は広島市中区東白島町19番でした。当時の広島市は、岡山市と逓信局の誘致をめぐって競ったことが知られており、この庁舎は全額市費の負担により建設されたものです。敷地は逓信省と大蔵省の所有財産でした。建設費44万円は80年賦で逓信局が広島市に償還する計画となっていました。

上浪朗が設計した広島逓信局庁舎

設計は上浪朗を中心とする逓信省経理局営繕課でした。概要は次のとおりです。
広島逓信局の概要
所在地:中区東白島町19番(基町)
構造:鉄筋コンクリート造4階建
設計:逓信省技師 上浪朗
施工:藤田組
爆心地からの距離:1380メートル

なお、上浪朗は大正15年着工、昭和3年2月に完成した広島郵便局電話分室(広島市内中心部の市外交換と広島市の市外交換を受け持つ中央電話局)の設計も担当しています。

(参考資料)
・「建築家上浪朗の逓信局舎建築作品に関する考察 : 広島郵便局電話分室と広島逓信局庁舎建築を中心として」(『日本建築学会計画系論文集』第 610号、221−227頁、2006年12月)
・広島逓信局庁舎の原爆の被災状況については次のページ(ウェブサイト「広島の原爆遺跡と碑」)に詳しく解説されています。

広島中央郵便局東白島(ひがしはくしま)分室の沿革

大正09.10.24 設置 分室 設置名称「広島、逓信局内分室」
昭和19.08.06「広島駅前、逓信局内分室」と改称
昭和24.09.15「広島駅前、郵政局内分室」と改称、告示は「広島駅前、広島逓信局内分室」から改称
昭和33.11.01「広島、郵政局内分室」と改称
昭和39.04.20「広島中央、郵政局内分室」と改称
昭和60.09.30 所属局が新局に変更
平成15.04.01 現名称に改称
平成16.03.29 廃止
*沿革は『日本郵便局名鑑 』森 寿博 編著/武田 聡 追補/鳴美、2021年より。

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