京城郵便局・釜山郵便局|朝鮮における逓信関連の建築

メイン図版は朝鮮総督府逓信局庁舎です。明治43年10月1日、朝鮮総督府の設置時点では通信局でしたが、明治45年4月1日には「逓信局」と改称されました。
(図版協力:安藤源成氏)

大正初期の京城郵便局

(図版協力:安藤源成氏)

日本の京城郵便局が設置されたのは明治34年3月20日のこと。逓信省技師 三橋四郎による京城郵便局舎が完成したのが明治34年9月頃でした。旧局舎に隣接する位置に、大正2年10月~大正4年9月にかけて大工事が行われ、壮麗な京城郵便局が新築されました。完成は大正4年9月15日です。吉井茂則が退官したのは大正3年10月9日であり、翌日から内田四郎が営繕課のトップになりました。その時代の逓信建築にあたります。旧京城郵便局は昭和初期に中央電話局として使用されていたようです。また、朝鮮戦争中に半壊となり、その後撤去されました。

京城郵便局の概要

床面積:1,320坪
完成:大正4年9月15日(大正5年2月25日とする資料あり)
着工:大正2年10月23日
工事費:240,834円(3年継続工事)

古典主義様式の釜山郵便局

(図版協力:安藤源成氏)

釜山は明治20年6月1日に釜山郵便電信局となりました。韓国併合の翌年に新築され、明治44年に6月19日に移転しました。このときの局舎は、残念ながら設計者不明です。明治44年の釜山郵便局舎は朝鮮戦争後の昭和28年11月27日夜に発生した釜山大火で焼失しています。

釜山郵便局舎の概要

構造:煉瓦石造2階建
床面積: 372坪
完成:明治44年3月25日
着工:明治43年4月24日
工事費:74,050円(明治44年度増築工事、新局舎移転は6月19日)

参考文献:『明治・大正期の逓信建築の研究―モダニズム期以前の局舎と技術者達』(古山精一、2021年)

 

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