郵便ポストの戦後復興
戦時中に鋳鉄製ポストが軍に供出され、代わってコンクリート製の代用ポストに置き換えられました。コンクリート製のポストは赤いペンキがすぐに剥げて、白いポストになってしまいます。耐久性にも問題があり、空襲で破壊された4700本のポストの復旧、代用ポストを鋳鉄製ポストに戻すことが戦後郵便事業の最優先課題の一つになっていました。
一号丸型ポストの誕生
GHQの支援もあり、新規格の鋳鉄製ポストの製造が昭和24年から開始され、昭和25年2月までに3800本が設置されました。この新規格のポストは「郵便差出箱一号(丸型)」と呼ばれ、今でも根強い人気があります。
文:近辻喜一(ちかつじ・きいち)
郵便史研究会会長。『新版・明治郵便局名録』(鳴美、2015年)校訂者として知られ、一般の方にも親しみやすい郵便史の解説で定評がある。多摩地域を中心とする郷土史研究者としての顔も持つ。