丸型ポストとともに石見銀山街道の宿場町を見守る旧御調郵便局(旧市村郵便局)

旧御調郵便局(旧市村郵便局)の概要

郵便局名にもなっている御調町(みつぎちょう)は、広島県御調郡にかつて存在した町で、古くから交通の要衝として発展しました。石見銀山街道と古代山陽道が交差する地域に位置するとされ、街道沿いの宿場町としても知られています。昭和30年(1955年)2月1日、御調郡の市村、今津野村、奥村、上川辺村、河内村、菅野村、諸田村の一部(大山田、下山田、千堂)が合併し、御調町が発足しました。その後、昭和31年(1956年)9月30日には三郎丸の一部が府中市に編入されました。平成17年(2005年)3月28日、尾道市に編入され、自治体としての御調町の歴史を終えました(現在は尾道市御調町)。

なお、かつて町内を走っていた尾道鉄道の市駅(いちえき)は、大正15年(1926年)4月28日に石畦 – 市間の開通に伴い開業しましたが、尾道鉄道自体が昭和32年(1957年)2月1日に廃止されました。駅跡地は現在、中国バス市出張所として利用されています。

旧御調郵便局

旧御調郵便局(旧市村郵便局)の詳細情報

広島県尾道市御調町にある御調郵便局は、明治初期に設置され、長い歴史を持つ郵便局です。設置は明治5年(1872年)2月とされます。当初は「市村郵便取扱所」として業務を開始しました。その後、明治8年(1875年)1月1日に五等郵便局に改定され、さらに明治15年(1882年)11月27日には四等郵便局、明治16年(1883年)10月には三等郵便局に改定されるなど、業務規模が拡大しました。

昭和16年(1941年)2月1日には特定郵便局に改定され、昭和34年(1959年)7月1日に旧局舎の斜向かいに移転し、「御調郵便局」と名称が変更されました。その後、平成30年(2018年)10月9日には集配業務が廃止され、三原郵便局に引き継がれました。

旧局舎は昭和30年頃まで供用されていました。その後、「村井錦林堂」店舗として利用されていた時期もあります。(参考資料:市村郵便局の記載あり)

旧御調郵便局

令和3年(2021)5月に撮影した現地の様子

『簡易保険20周年』の横断幕を掲げた旧市村郵便局

『簡易保険20周年』の横断幕を掲げた旧市村郵便局(昭和11年[1936])

旧御調郵便局(旧市村郵便局)のアクセス

所在地
〒722-0311
広島県尾道市御調町市

アクセス
尾道自動車道「尾道北IC」から車で3分

旧御調郵便局

御調郵便局の基本情報

現在の御調郵便局は国道184号沿いへ移転しています。山陽ふるさと街道と交差する(大田交差点)からほど近い場所に位置しています。

所在地
〒722-0342
広島県尾道市御調町大田46-1

御調郵便局の沿革
明治05.02.- 設置 郵便取扱所 設置名称「市村」
明治08.01.01 五等郵便局に改定
明治15.11.27 四等郵便局に改定
明治16.10.- 三等郵便局に改定
昭和16.02.01 特定郵便局に改定
昭和34.07.01 現名称に改称
平成30.10.09 集配廃止 引継:三原
沿革は『日本郵便局名鑑 』森 寿博 編著/武田 聡 追補/鳴美、2021年より。

(参考)市村郵便局 業務範囲
明治18.06 貯金事務取扱い
明治24.02 内国為替取扱い
明治29.11 小包取扱い
明治32.01 外国為替取扱い
明治40.10 電信取扱い
明治44.11 電話公設
(『御調郡誌編纂資料』―「市村」より)

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