近代化産業遺産の門司郵便局電話課庁舎|山田 守の建築

門司郵便局電話課庁舎の概要

門司郵便局電話課庁舎は大正13年(1924)10月31日にできた近代建築です。逓信省営繕課技師山田 守によって設計され、日本の逓信建築の初期作品の一つとされています。外観は直線的な形状と曲線的なアーチを対比させたデザインが特徴で、防火機能を兼ね備えた革新的な建築様式を採用していました。この庁舎は、通信技術の進展と地域社会の変化を物語る重要な歴史的建造物であり、現在は「門司電気通信レトロ館」として、過去の電信・電話機の展示を通じて、通信の歴史を伝えています。

旧門司郵便局電話課庁舎

門司郵便局電話課庁舎の詳細情報

門司郵便局(現在の門司港郵便局)は明治25年(1892年)11月1日に門司郵便電信局となりました。その後、明治33年(1900年)に赤間関電話交換局門司支局として電話交換業務を開始しました。明治36年(1903年)4月1日には門司郵便局となり、大正6年(1917年)に電話課を設置しました。大正13年(1924年)には電話課分室庁舎が新築され、電話交換方式の改良と共に共電式の電話交換機が導入され、大正14年(1925年)には共電式への切り替えが完了しました。

昭和時代に入ると、昭和19年(1944年)に門司電話局が開局し、昭和28年(1953年)には局舎が増築されました。昭和32年(1957年)には自動改式が実施され、昭和35年(1960年)には門司電話局と門司電報局が合併して門司電報電話局が発足しました。昭和43年(1968年)には庁舎の増改築が行われました。平成6年(1994年)に門司港レトロ事業の一環として「門司電気通信レトロ館」が開館し、平成11年(1999年)には門司営業所が窓口業務を終了しました。

旧門司郵便局電話課庁舎

門司郵便局電話課庁舎(門司電気通信レトロ館)のアクセス

所在地
〒801-0856
福岡県北九州市門司区浜町4番1号

アクセス
JR九州・鹿児島本線「門司港駅」より徒歩10分

旧門司郵便局電話課庁舎

門司電気通信レトロ館の内部

門司港駅のホーム

関門海峡の関門橋へは徒歩13分ほど

門司港郵便局の基本情報

かつての門司郵便局の沿革をまとめました。電話事業を直接関わりのない事柄もありますが、参考までにご覧ください。

所在地
〒801-0852
福岡県北九州市門司区港町2-27

門司港郵便局の沿革
明治21.12.01 設置 三等郵便局 設置名称「門司」
明治24.10.01 二等郵便局に改定
明治25.11.01 三等郵便電信局に改定
明治35.04.01 二等郵便電信局に改定
明治36.04.01 二等郵便局に改定
明治43.04.01 設置 一等郵便局
(同名局の現業事務を承継)
昭和16.02.01 普通郵便局に改定
昭和27.04.26 現名称に改称
平成29.02.20 集配廃止 引継:門司
書留引受局記号:681
為替番号:74066

沿革は『日本郵便局名鑑 』森 寿博 編著/武田 聡 追補/鳴美、2021年より。

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