旧母子里簡易郵便局の概要
母子里(もしり)は、北海道雨竜郡幌加内町の地名で、アイヌ語「モシリウンナイ」(島・がある・川)に由来します。昭和3年(1928年)、北海道大学雨竜演習林が植民地区画を整備し「茂知」植民地と名付けました。その後、若い家族に子供が生まれたことを記念して「母子里」と改名され、昭和5年(1930年)の村議会で正式な地区名となりました。
母子里は戦後まで道路が通じておらず、鉄道が唯一の交通手段でした。この地域には北海道旅客鉄道(JR北海道)深名線が通り、北母子里駅が設置されていました。北母子里駅は昭和16年(1941年)10月10日に深名線全通とともに開業し、平成7年(1995年)9月4日の深名線廃止により廃駅となりました。駅名は、同音の茂尻駅(もしり)との混同を避けるため「北」を冠しました。
昭和53年(1978年)2月には、この地域で氷点下41.2度という日本最低気温を記録しています。この記録を機に特注の寒暖計が設置され、耐寒体験を目的に訪れる人々にも親しまれていました。母子里簡易郵便局は今もなお数十世帯のための金融機関としての役割を引き受けています。近くにコンビニやスーパーもなく、食料品などは移動販売車なども利用しています。
旧母子里簡易郵便局の詳細情報
母子里郵便局は、昭和14年(1939年)11月26日に郵便取扱所として設置されました。その後、昭和15年(1940年)12月1日に三等無集局に改定され、翌昭和16年(1941年)2月1日に特定無集局に改定されました。しかし、昭和52年(1977年)7月1日に廃止され、その業務は朱鞠内郵便局が引き継ぎました。同日に母子里簡易郵便局が設置され、郵便業務が継続されましたが、平成23年(2011年)1月27日から同年2月2日まで一時閉鎖されました。
母子里簡易郵便局は周辺の数十世帯のために営業が続けられています。令和3年(2021)4月5日に移転したため、ここに示す簡易郵便局舎は旧局舎となりました。近くに携帯電話の電波を扱う施設があり、携帯電話は非常に快適に使用することができました。現在、母子里簡易郵便局の受託者の方がInstagramでセンスのよい写真とともに北国の暮らしを発信しています。
旧母子里簡易郵便局のアクセス
所在地
〒074-0741
北海道雨竜郡幌加内町母子里
アクセス
車:JR北海道・宗谷本線「名寄駅」から31分
廃駅となった北母子里駅はヘビなどが出て危険なので、不用意に近づかないほうがよいと言われました。
母子里簡易郵便局の基本情報
母子里簡易郵便局は国立大学法人 北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター 森林圏ステーション 雨龍研究林に隣接した場所にあります。
所在地
〒074-0741
北海道雨竜郡幌加内町字母子里8412-1
母子里郵便局の沿革
昭和14.11.26 設置 郵便取扱所
昭和15.12.01 三等無集局に改定
昭和16.02.01 特定無集局に改定
昭和52.07.01 廃止 引継:朱鞠内
母子里簡易郵便局の沿革
昭和52.07.01 設置 簡易局
平成23.01.27~02.02 一時閉鎖
*沿革は『日本郵便局名鑑 』森 寿博 編著/武田 聡 追補/鳴美、2021年より。