群馬県の郵便創業を今に伝える|旧中山郵便局

旧中山郵便局の概要

三国街道は中山道の高崎(群馬県高崎市)から分かれ、北陸街道の寺泊(新潟県長岡市寺泊地域)へ至る街道で、江戸と越後を結ぶ最短ルートとして重要でした。明治5年に三国街道に新式郵便が行われるとき、高崎から数えて7つ目の中山宿における郵便取扱人(郵便局長)として平形作太郎が推挙され、明治5年7月1日に中山郵便取扱所として開局しました。平形家は本陣であり、荷物輸送の仕事にあたる問屋も兼ねた名家として知られます。本陣は文政年間に一度焼失しますが、長岡藩主・荷主・飛脚問屋などの寄進によって復興しました。その当時のまま現存する長屋門「平形家住宅門屋」(旧中山郵便局)は平成10年9月に国指定の登録有形文化財(建造物)になりました。

旧中山郵便局の詳細情報

初代局長の平形作太郎は、長野を中心に広大な物流ネットワークを持っていた中牛馬会社の中で責任ある立場だったようです。局長を務める傍ら、中山村副戸長、地主惣代、戸長、中山学校保護役、学務委員など、地域の重要な役割を歴任しました。その後、周次郎氏、作右衛門氏と3代にわたり、昭和50年代まで局長として尽力しました。同家に伝わる「平形家日記」(明治5年2月以降)は三国街道筋における郵便創業を記録した史料として重要であり、「下仁田原家文書」と並ぶ群馬県郵便史における第一級の史料とされます。

本稿は『群馬の郵便』(嶋田幸一、設楽光弘、 原田雅純/著、みやま文庫、2000年)を参照しました。

旧中山郵便局(平形家住宅門屋)へのアクセス

所在地
〒377-0702
群馬県吾妻郡高山村中山103-1

アクセス
鉄道:JR上越線「後閑駅」から6.8km
バス:中山新田バス停から徒歩2分

高山郵便局の基本情報

文化財の名称としては中山郵便局ですが、現在の郵便局名は高山郵便局です。旧中山郵便局(平形家住宅門屋)に隣接した敷地なので、すぐにわかります。

所在地
〒377-0799
群馬県吾妻郡高山村中山103-4

高山郵便局の沿革
明治05.07.01 設置 郵便取扱所 設置名称「中山」
明治08.01.01 五等郵便局に改定
明治19.04.26 三等郵便局に改定
明治44.05.16 現名称に改称
昭和16.02.01 特定郵便局に改定
書留引受局記号:2264
為替番号:04069

沿革は『日本郵便局名鑑 』森 寿博 編著/武田 聡 追補/鳴美、2021年より。

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