旧河内木綿商家・萩原家住宅|旧恩智郵便局

旧恩智郵便局の概要

萩原家住宅は東高野街道沿いにあり、かつては木綿問屋・織元でした。宝暦年間(1751-1764年)の築造です。

萩原家と郵便事業との関わりは明治9年5月に始まります*。「恩知」郵便局として萩原家住宅主屋の一部を利用して開局したのが最初です。同局は明治18年に「恩智」に改称しましたが、明治28年に廃止されています。その後、大正10年7月に再設置された2代目恩智郵便局ですが、戦後は分家筋に家業として引き継がれ、母屋を離れました。道の向かい側少し南に進んだ所にある「萩原駐車場」がその跡地にあたります。その後、昭和50年9月29日に八尾恩智郵便局に改称し、恩智駅(近鉄大阪線)から120mほどの位置に移転しました。

*この地における郵便事業は近隣の板倉家に移った時期もあります。

旧恩智郵便局

萩原家住宅は明治9年から28年にかけて、また大正10年から戦後復興期までにかけて旧恩智郵便局だった。

恩智郵便局-明治20年の郵便はがき

恩智郵便局-明治20年の郵便はがき(中野泰雄氏所蔵)

旧恩智郵便局の詳細情報

萩原家住宅は郵便局移転後はそのまま私邸として利用されていましたが、古民家「茶吉庵」としてリノベーションを行いました。このとき、改修費用の一部をCAMPFIRE系のクラウドファンディング「FAAVO」で支援を募っています。古民家「茶吉庵」とは、まさにこの施設で木綿問屋・織元を営んでいた茶屋吉兵衛の通称「茶吉」に由来します。2018年3月とかなり早い時期にクラウドファンディングを使用して一定の成功を得た事例の1つに数えられるでしょう。

古民家「茶吉庵」の正面から右側部分に入居する「ゆくるカフェ」は大正時代の郵便局時代の調度品を一部利用しており、とてもよい雰囲気です。そのほか、かつて商家として扱っていた木綿を展示したり、アートギャラリーとして活用するなど、地域のさまざまな活動の拠点として愛されています。なお、萩原家住宅は令和元年9月10日に国の登録有形文化財に指定されています。

本サイトでは「郵便局の鑑賞」のカテゴリーでも紹介していますので、併せてご覧ください。

旧恩智郵便局を利用した「ゆくるカフェ」

古民家を生かした「ゆくるカフェ」として営業している。カウンターは窓口を再利用したもの。

旧恩智郵便局のアクセス

所在地
〒581-0883
大阪府八尾市恩智中町3丁目 1

アクセス
近鉄大阪線「恩智」駅から徒歩11分

旧恩智郵便局

かつての郵便局入り口の扉を再利用している。

恩智神社

恩智神社

八尾恩智郵便局の基本情報

現在の郵便局舎は恩智駅(近鉄大阪線)の近くに所在しています。

所在地
〒581-0883
大阪府八尾市恩智中町1-49

八尾恩智郵便局の沿革
大正10.07.21 設置 三等無集局 設置名称「恩智」
昭和16.02.01 特定無集局に改定
昭和50.09.29 現名称に移転改称
書留引受局記号:464ア
為替番号:41112

沿革は『日本郵便局名鑑 』森 寿博 編著/武田 聡 追補/鳴美、2021年より。

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