幻の郵便ポストとして知られる郵便差出箱6号
郵便差出箱6号は昭和34年4月にできた郵便ポストで、法的根拠のある郵便ポストのうち、もっとも数少ない郵便ポストとして知られます。一般差出用の通常の郵便ポストの機能に加えて、配達郵便物前送保管を兼ねたもので、足がなく、左右に取り出し口があるのが特徴となっています。
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左右に取り出し口がある郵便差出箱6号
郵便差出箱6号はもともと配達途中の配達員が保管中の郵便物を取り出して配達を続行し、途中で局へ戻る手間を省くものでしたが、実際にはあまり使用されませんでした。現在は塩釜市本町にあるものが現役としては唯一とみられます。
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塩釜市本町にある郵便差出箱6号
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塩釜郵便局が1日に2回取集していることがわかる。
現役は最後1本か?
郵便差出箱6号は多く(全部?)が東北地方に配備されました。かつては山形県の大高根郵便局(山形県村山市)などにあり、現存数本とされてきましたが、すでに撤去されています。現在、塩釜市本町で稼働中のものは郵便差出箱1号(丸型)が撤去されたときに、地元郵趣家の要望もあって別の場所にあった郵便差出箱6号を移設したものと伝えられます。
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塩釜市本町に所在する郵便差出箱6号。後ろは画材店やまだ屋となっており、絵手紙などが展示されている。
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塩釜市本町の郵便差出箱6号。一方通行の道だが、一時停車するスペースが設けられていた。
郵政博物館 資料センターにも現存
なお、郵便差出箱6号は現役の郵便ポストとしては非常に数が少なくなっていますが、郵政博物館 資料センター(千葉県市川市)には保存状態のよい1本が保管されています。これからも郵便史料としては恒久的に保存されていくことでしょう。