キリシタンの里にあるレトロな局舎|旧米川郵便局

旧米川郵便局の概要

米川は宮城県北部の登米市北東部に位置し、北は岩手県藤沢町、東は気仙沼市、南三陸町に接します。かつてタタラ製鉄や煙草の集積所として栄えたこともあり、旧街道沿いには蔵のある明治の商家が並ぶ一角があり、その中に擬西洋風の旧米川郵便局舎があります。

米川郵便局は当初、明治7年12月に狼河原(おいのがわら)郵便取扱所として設置されました。明治8年に狼河原村と鱒淵村が合併し、米川村が誕生したこともあったと推察されますが、明治9年には米川郵便局となりました。しかし数年で狼河原郵便局に戻り、昭和8年に再び米川郵便局になりました。地方の三等局・特定局の典型ですが、旧局舎には逓信局の要人を迎えるための豪華な応接間などがあり、裕福だった米川の往時の様子を感じさせます。また、郵便局長を務めてきた畠山家には郵便局員が使用していた空間など、郵便局に付随する施設も含めてよく残されています。旧局舎は昭和40年代まで郵便局として利用されたのち、少し離れた場所に移転しました。

旧米川郵便局

旧米川郵便局の詳細情報

米川は「東北の長崎」とも呼ばれ、隠れキリシタンが殉教した地として知られます。製鉄技術とキリスト教が永禄年間(1558年頃)にこの地に伝えられ、特に狼河原には多くのキリシタンが暮らし、精錬技術を生かして武器を作るのを生業としていました。付近には大柄沢キリシタン洞窟などのキリシタン迫害の歴史を物語る史跡が今も残ります。

米川で有名なのは、ユネスコ無形文化財「米川の水かぶり」という祭りです。毎年2月の初午の日(令和4年は感染症リスクに配慮しながら2月10日開催)に行われます。地区の男性たちが藁のしめ縄を各自で作り、藁で作ったオシメ・アタマ・ワッカという装束を身に着け、顔に竈のススをぬった姿で家々に水をかけて火伏せをし、沿道の観衆は男たちの藁装束を抜き取って屋根に上げて火伏せのお守りにします。

旧米川郵便局のアクセス

所在地
宮城県登米市東和町米川字町(古い町並みの残る旧市街にあります)

アクセス
三陸自動車道(仙台方面から)登米東和ICより約15分・(気仙沼方面から)三滝堂ICより約20分


米川郵便局の基本情報

所在地
〒987-0999
宮城県登米市東和町米川町下49-9
(現在営業中の郵便局舎の所在地)

米川郵便局の沿革
明治07.12.- 設置 郵便取扱所 設置名称「狼河原」
明治08.01.01 五等郵便局に改定
明治09.05.- 現名称に改称
明治13.02.- 「狼河原」と改称
明治19.04.26 三等郵便局に改定
昭和08.04.01 現名称に改称
昭和16.02.01 特定郵便局に改定
平成23.03.14~03.16 一時閉鎖(大震災)
書留引受局記号:9007
為替番号:81033

現在の米川郵便局舎

沿革は『日本郵便局名鑑 』森 寿博 編著/武田 聡 追補/鳴美、2021年より。

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