郵政三事業の民営化
平成19年10月1日、郵便・郵便貯金・簡易生命保険の郵政三事業が民営化され、日本郵政グループが誕生しました。現在、日本郵便は2万の直営郵便局と4千の簡易郵便局で構成する全国ネットワークを維持し、うち過疎地には7千7百局が設置されています。郵便ポストは全国に18万本。このほか切手印紙販売所が14万ヵ所あります。
郵便物の引受総数をみると、国営最後の平成14年度は257億通であったものが、毎年度徐々に減少して、平成28年度には31%減の177億通となりました。郵便物全体の営業損益の数字をみると、黒字を出す年もありますが、利益率が低下し直近3年度は1%を割る低水準です。特に第二種はがきの赤字幅は大きく平成28年度には298億円に達し、そのため平成29年6月からはがき料金が52円から62円に値上げされました。
*この記事をもちまして、近辻喜一氏による解説は一区切りとさせていただきます。これまでご愛読ありがとうございます。(編)
文:近辻喜一(ちかつじ・きいち)
郵便史研究会会長。『新版・明治郵便局名録』(鳴美、2015年)校訂者として知られ、一般の方にも親しみやすい郵便史の解説で定評がある。多摩地域を中心とする郷土史研究者としての顔も持つ。