新たな郵便の聖地-郵便名柄館|旧名柄郵便局

旧名柄郵便局の概要

池口小太郎と聞いて、作家の堺屋太一氏(1935-2019年)のことだとわかる方はかなりの通なのではないでしょうか。名柄郵便局は明治35年11月16日に名柄郵便受取所として設置され、明治36年12月5日に郵便電信受取所に改定、さらに明治38年4月1日に三等無集局に改定されました。現存する名柄郵便局は明治末期に起工され、大正2年に完成した擬西洋風の郵便局舎です。昭和50年3月に集配業務を御所郵便局に移管し、名柄郵便局が移転するまで、長いあいだ集配局の局舎として活用されてきました。

名柄郵便局の消印

左:名柄郵便電信取扱所時代の明治37年の消印。右:昭和16年の櫛型印。いずれも中野泰雄氏所蔵。

旧郵便局舎は所有者が御所市に無償貸与していましたが、国の補助金や堺屋太一氏の協力なども得てリニューアル工事が行われ、「郵便名柄館~テガミカフェ~」としてオープンしました。「団塊の世代」という言葉を生み、経済企画庁長官を務めたことで知られる堺屋太一氏(堺屋は商家の池口家が過去に使用した屋号)は郵便局長家の池口氏とは親戚筋であり、堺屋太一氏自身も郵便局舎に隣接する場所で育ったというつながりがあります。

旧名柄郵便局

創建当時のサクラ色に復刻された旧名柄郵便局。

旧名柄郵便局の詳細情報

郵便名柄館~テガミカフェ~」が完成した平成27年12月20日に「郵便庭園」が整備されました。庭園中央には郵便配達夫の像があります。彫刻家吉野毅氏が制作にあたりました。歴代の日本のおける記念特殊切手や年賀切手、普通切手などがちりばめられ、昭和レトロな不思議な空間となっています。

有名なのは、同年に始まった「はがきの名文コンクール」(実行委員会主催)ではないでしょうか。はがきに書いた20字以上200字以内の「願い事」を募るコンクールで、開始時は堺屋太一氏、吉本ばなな氏、第5回から五木寛之氏、齋藤孝氏、村山由佳氏が選考委員を担っています。

旧名柄郵便局(郵便資料館&Tegamicafe)の中庭

「郵便庭園」と庭園中央にある郵便配達夫の像。

旧名柄郵便局のアクセス

所在地
〒639-2321
奈良県御所市名柄326-1

アクセス
奈良交通バス「寺田橋」下車、徒歩20分
南阪奈道路「葛城IC」から車で15分

旧名柄郵便局

名柄の代表的な商家「池口家住宅」側からみた旧名柄郵便局。

名柄郵便局の基本情報

旧名柄郵便局から歩いて3分ほどの場所にあります。

所在地
〒639-2327
奈良県御所市増48-1

名柄郵便局の沿革
明治35.11.16 設置 郵便受取所
明治36.12.05 郵便電信受取所に改定
明治38.04.01 三等無集局に改定
明治41.03.21 集配開始
昭和16.02.01 特定郵便局に改定
昭和50.03.24 集配廃止  引継:御所
書留引受局記号:5194A
為替番号:45023

沿革は『日本郵便局名鑑 』森 寿博 編著/武田 聡 追補/鳴美、2021年より。

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