ホステルとして営業中|旧箱根宮ノ下郵便局

旧箱根宮ノ下郵便局(HakoneHOSTEL1914)の概要

箱根宮ノ下郵便局が明治7年7月に設置されたときの名称は底倉郵便取扱所(郵便局)でした。底倉は明治22年4月に町村制が敷かれる前の村名であり、その後も足柄下郡温泉村(昭和31年に箱根町に合併)の大字として残りました。箱根七湯の1つ底倉温泉(宮ノ下温泉の西側)を思い起こす方もいるかもしれません。現存する旧箱根宮ノ下郵便局舎は大正3年にできた旧局舎で、国内外の利用客がいたこともあり、とても瀟洒な旧郵便局舎となっています。

箱根宮ノ下郵便局旧局舎の2階では電話交換事務を行っていました。『局所原簿』(郵政省)の記述によると、昭和34年10月頃まで交換手の女性たちが働いていたようです。また、同文書によれば、昭和44年6月末をもって郵便局としての機能は別の場所に移転しました。

旧箱根宮ノ下郵便局

旧箱根宮ノ下郵便局(HakoneHOSTEL1914)の詳細情報

箱根宮ノ下で有名なのは、箱根を訪れる国内外の多く著名人が宿泊する富士屋ホテルでしょう。旧局舎はその向かいの位置にあり、郵便局長はかつて富士屋ホテルと並び称せられた奈良屋旅館*を経営した安藤家が務めました。こちらに示すのは、明治31年の奈良屋が描かれた連合はがきの絵葉書です。19世紀の絵葉書の数は少ないので貴重なものといえるでしょう。

現在、旧局舎の窓口はHakoneHOSTEL1914の利用者のための受付・ラウンジとなっていて、大正時代の格調高い三等郵便局の建築を楽しむことができます。ホステルに着いたら、ぜひ天井を見上げてみてください。丹念に仕上げられた美しい装飾がされていて驚くことでしょう。ホステル(素泊まりのみ)はドミトリーに加えて、リーズナブルかつ清潔感のある和室もあるので、世代を問わず安心して旅の疲れをいやすことができそうです。

*奈良屋旅館は2001年に営業を終了し、現在は足湯付きカフェ「NARAYA CAFE」にその名を残しています。

旧箱根宮ノ下郵便局

旧箱根宮ノ下郵便局(HakoneHOSTEL1914)のアクセス

宿泊施設
「HakoneHOSTEL1914」として営業
https://hakonehostel1914.com/

所在地
〒250-0404
神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下362

アクセス
鉄道:箱根登山鉄道「宮ノ下駅」から徒歩6分
バス:箱根登山バス/伊豆箱根バス「宮ノ下温泉駅」から徒歩1分

旧箱根宮ノ下郵便局

箱根登山鉄道の宮ノ下駅

箱根登山鉄道の宮ノ下駅

箱根宮ノ下郵便局の基本情報

箱根宮ノ下郵便局の現局舎は「HakoneHOSTEL1914」よりも坂道をすこし上ったところに所在します。

所在地
〒250-0499
神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷467

箱根宮ノ下郵便局の沿革
明治07.07.- 設置 郵便取扱所 設置名称「底倉」
明治08.01.01 五等郵便局に改定
明治14.05.20 四等郵便局に改定
明治19.04.26 三等郵便局に改定
明治21.12.12「宮ノ下」と改称
明治23.12.16 三等郵便電信局に改定
明治36.04.01 三等郵便局に改定
明治43.03.11 現名称に改称
昭和16.02.01 特定郵便局に改定
書留引受局記号:2902
為替番号:02011

沿革は『日本郵便局名鑑 』森 寿博 編著/武田 聡 追補/鳴美、2021年より。

箱根宮ノ下郵便局の昭和7年の戦前風景印。戦前は変形風景印を使用していた。

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