「郵便創業の地」に所在する日本橋郵便局

日本橋郵便局の概略

日本橋郵便局は四日市郵便役所(東京中央郵便局の前身)が所在した「郵便創業の地」にある郵便局です。明治4年3月1日(1871年4月20日)時点における東京の本局として開局した場所に存在する局なのです。現局舎(1973年竣工)は当時として最新鋭のモデル局舎でしたが、建設から半世紀以上が経過した現在、「日本橋一丁目東地区」の再開発計画に組み込まれ、姿を消そうとしています。

 

日本橋郵便局の詳細情報

日本橋郵便局は大正6年(1917)4月1日に、東京中央郵便局が麹町区へ移転する際、その旧局舎を利用して日本橋郵便局として新たに開局しました。この郵便局は、日本橋区本材木町に位置していたため、「日本橋区の二等局」として設立されました。しかし、その後6年間で局の運命は一変します。1923年(大正12年)9月1日に関東大震災が発生し、郵便局舎は焼失しました。震災後の新しい局舎は1928年(昭和3年)12月に着工し、翌1929年(昭和4年)8月に竣工しました。この新しい建物は、当時は逓信省経理局営繕課によるモダニズム建築の全盛期でしたが、局舎建設が集中したため、大蔵省営繕管財局の様式建築による局舎となりました。

さらに、昭和通りの開通と区画整理の進展により、江戸橋が移動され、郵便局の住所も本材木町1丁目から江戸橋1丁目へと変更されました。これは後藤新平市長が推進した帝都復興事業の一環であり、東京の都市構造に大きな変化をもたらしました。

現在の日本橋郵便局は1973年(昭和48年)8月3日から使用が開始されたもので、地下3階地上7階建ての鉄骨鉄筋コンクリート造です。この局舎は、1971年(昭和46年)3月に始まり、2年半の工期と22億円の費用をかけて完成しました。この施設は自動車輸送に適した局内搬送システムを取り入れ、顧客をエスカレーターで2階の窓口へと導くような動線を配置するなど、当時としては先進的な試みが盛り込まれていました。この郵便局は、モデル局として多くの注目を集めました。しかし2024年5月の月初から配達事務は東京貯金事務センター跡地に新設された「にほんばし蔵前郵便局」に引き継いでいます。

日本橋郵便局のアクセス

所在地
〒103-8799
東京都中央区日本橋1-18-1

アクセス
日本橋駅から徒歩2分

日本橋郵便局の基本情報

大正6年4月に開局してからの沿革はシンプルなものです。

日本橋郵便局の沿革

大正06.04.01 設置 二等郵便局
昭和03.08.27 一等郵便局に改定
昭和16.02.01 普通郵便局に改定
令和06.05.05 集配業務を「にほんばし蔵前郵便局」へ引継。(実質的に05.01から)

沿革は『日本郵便局名鑑 』森 寿博 編著/武田 聡 追補/鳴美、2021年より。

 

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