クラウドファンディングで再生|旧石山郵便局(札幌市南区)

旧石山郵便局の概要

札幌市南区の旧石山郵便局の沿革をひもとくと、明治35年2月に設置された穴ノ沢(澤)郵便取扱所までさかのぼることができます。明治38年4月に三等無集局に改定され、明治 41年1月に石山郵便局となりました。石山、石切山という地名は、この地が札幌軟石という支笏カルデラの火砕流が冷え固まってできた岩石の産地だったことによります。札幌軟石は加工しやすく、耐火・防火性に富んだことから、明治初期より札幌や小樽などの建造物に多く用いられ、特有の景観も形づくりました。

ここで紹介する旧石山郵便局舎ができたのは同局が集配業務を開始した昭和15年のことです。集配局にふさわしい局舎を建てるのに地元で採れる札幌軟石を使うのは当然の流れでした。同局は昭和48年7月に特定局から普通局へ昇格しますが、約半年後の同年12月に移転することとなり(『局所原簿』)、このレトロな局舎は郵便局としての役割を終えました。

旧石山郵便局の詳細情報

現在の旧石山郵便局の目の前には、大正7年10月に開業した定山渓鉄道の鉄道駅だった「石切山駅」がみえます。かつて定山渓鉄道は鉱石や石灰・木材輸送にも大きく貢献した路線であり、戦後復興とともに最盛期を迎えましたが、貨物輸送をトラックに奪われたことから陰りを見せました。最終的に札幌市が地下鉄南北線を建設のための用地買収を申し出たことから、昭和44年10月末に定山渓鉄道は営業を終え、ついに廃線となったのです。そんな昭和47年に開催された札幌五輪の影で失われていった産業遺産をみることができます。

このような歴史のある地区ですが、一筋の光が差したのが、地元有志による「ぽすとかん再生プロジェクト」でした。一連の働きかけを通じてクラウドファンディングで400万円の資金(目標300万円)を調達し、旧石山郵便局を軟石グッズの販売所、カフェ、イベントスペースを行う「ぽすとかん」として再生させたのです。旧石山郵便局(ぽすとかん)はレトロ郵便局がクラウドファンディングで再生に成功した初期の事例の1つであり、逓信関連の遺産の利活用に新たな可能性を開くこととなりました。

旧石切山駅

道路向かいの旧石切山駅

旧石山郵便局(ぽすとかん)のアクセス

所在地
〒005-0842
北海道札幌市南区石山2条3丁目1-26

アクセス
バス:地下鉄南北線「真駒内」から、じょうてつバス[12]真駒内線(藤野線)に乗り換え。「石山中央」下車、徒歩2分。

近くのおすすめスポット
・囲碁・おもしろ遊便館
一風変わった郵便物を集めた全国初の私設博物館として知られる「囲碁・おもしろ遊便館」も近くにあります。

・石山緑地
札幌軟石の石切り場跡を利用した公園施設が「石山緑地」です。まるで古代遺跡のような不思議な空間や、彫刻作品などが楽しめるスポットになっています。

神秘的な古代遺跡を思わせる石山緑地

札幌南郵便局の基本情報

石山郵便局は現在の札幌南郵便局の旧名称にあたる。

所在地
〒005-8799
北海道札幌市南区真駒内泉町1丁目1-1

旧石山郵便局の沿革
明治 35.02.01 設置 郵便受取所 設置名称「穴ノ沢」
明治 38.04.01 三等無集局に改定
明治 41.01.21「石山」と改称
昭和 15.02.01 集配開始
昭和 16.02.01 特定郵便局に改定
昭和 48.07.10 普通郵便局に改定
昭和 49.04.29 現名称に改称

沿革は『日本郵便局名鑑 』森 寿博 編著/武田 聡 追補/鳴美、2021年より。

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