口内郵便局の歴代局舎と変遷について|岩手県内の記録

口内郵便局の郵便局舎の変遷

口内(くちない)と読みます。口内郵便局は明治34年2月1日に開局した三等郵便局で、設置時点の名称は「福岡」でした。明治35年3月25日に現名称に改称されました。昭和16年2月1日に.特定郵便局に改定され、平成の終わり頃まで集配業務を行っていました。

行政の上では江刺郡福岡村のあった場所です。明治8年10月17日に水沢県による村落統合にともない、上口内村・下口内村・小池村・水押村・枛木田村が合併して福岡村が成立しました。明治22年4月1日に町村制施行にともない、福岡村単独で村制施行し、昭和29年4月1日に和賀郡黒沢尻町・飯豊村・鬼柳村・更木村・二子村および胆沢郡相去村と合併し、北上市となりました。口内町は仙台藩(伊達藩)と盛岡藩(南部藩)の藩境のあった場所で、仙台藩の最北部にあたりました。現地の浮牛城主中島公が慶応2年に仙台から口内に戻った際の行列を町民が自ら再現した「浮牛城まつり」が知られています。

口内郵便局

口内郵便局。明治34年2月業務開始(太田氏宅)。昭和53年撮影(O)

口内郵便局

口内郵便局。明治39年4月業務開始(昆野氏宅)。昭和53年3月撮影(O)

美しい大正7年の局舎(解体済)

口内郵便局

口内郵便局。大正7年9月業務開始~昭和41年9月。昭和53年3月撮影(O)

口内郵便局

口内郵便局。美しい装飾

口内郵便局

口内郵便局の庇部分。

寒冷地ならではの備品

口内郵便局

口内郵便局。足温器(実際には使用されなかった)

口内郵便局

口内郵便局。まんじゅう笠(郵便マーク入り)昭和53年撮影(O)

 

口内郵便局

口内郵便局。和賀特定局 通信義勇戦斗戦隊 口内郵便局区隊 と書かれた看板

昭和の終わり以降の口内郵便局

赤レンガが美しい局舎は昭和58年8月2日から使用開始しています。平成13年(ミレニアムの年)には開局100周年の碑が建ちました。もともと集配局だったこともあり、比較的に大きな規模の特定局の造りになっています。集配廃止は平成27年3月23日(引継:北上)のことでした。

口内郵便局

口内郵便局。昭和58年8月2日業務開始~現在。平成4年9月撮影

口内郵便局

口内郵便局。開局100周年記念碑

(荻田栄治さんのご厚意により収集された写真類をレトロ郵便局に掲載させていただきました)

口内郵便局の基本情報

所在地
〒024-0211
岩手県北上市口内町荒町3-1

口内郵便局の沿革
明治34.02.01 設置 三等郵便局 設置名称「福岡」
明治35.03.25 現名称に改称
昭和16.02.01 特定郵便局に改定
平成27.03.23 集配廃止 引継:北上

*沿革は『日本郵便局名鑑 』森 寿博 編著/武田 聡 追補/鳴美、2021年より。

資料提供:荻田 栄治(おぎた・えいじ)
交通史研究者・郵趣家。1941年に岩手県江刺郡岩谷堂町(現 奥州市)に生まれる。日本郵趣協会県南支部(岩手県)結成に尽力し、支部長に就任。2004年から10年にわたり江刺市行政区長(岩谷堂3区)を務めた。主な著作に1980年『江刺の郵便誌』が処女作。近著に2018年『北上川に架かる橋』がある。

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