コミュニティカフェとして復活!「中名田モデル」ともいうべき再生事例|旧中名田郵便局

旧中名田郵便局の概要

中名田郵便局は大正5年7月26日に設置された郵便局で、初代局長は地域の有力者 大道四郎兵衛が務めました(『中名田誌』より)。現存する旧局舎は昭和11年頃のものであり、昭和45年7月26日まで郵便局としての役割を果たしました。小浜市下田の山間にあり、県道沿いに西面して建つ木造2階建となっています。1階は旧郵便局、2階は床付の座敷を配しています。やや細かな情報ではありますが、平成10年9月1日に「なかなだ」から「なかなた」へ読替改称を行っています。

旧中名田郵便局

令和4年まで続いた改修工事を終えたばかりの旧中名田郵便局

旧中名田郵便局(コミュニティカフェ「金四郎」)の詳細情報

旧中名田郵便局は令和4年3月にコミュニティカフェ「金四郎」として生まれ変わりました。「金四郎」は郵便局を運営していた大道家の屋号です。メニューはサイホン式で入れるコーヒーや昔ながらのクリームソーダ、アイスクリームやプリンなど、純喫茶の雰囲気が味わえます。また、地域の子どもたちがおこづかいの範囲で気軽に楽しめるように、お菓子や雑貨販売のコーナーも設けています。

旧中名田郵便局

大正時代の雰囲気がただようカフェ店内。調度品はかつて旅館で使用されていたものを再利用した。

「中名田モデル」ともいうべき再生スキーム

旧中名田郵便局はクラウドファンディングを利用した成功事例の1つでもあります。令和3年11月に「建物が繋ぐ時・思い・人。登録有形文化財の旧郵便局舎を修復活用したい」(Readyfor)として局舎の改修資金を募り、目標額の200万円を大きく超える資金が集まりました。

クラウドファンディングの発起人であり、旧局舎の所有者でもある吉村順子氏にヒヤリングをすると、決して偶然の産物ではなく、地域社会の巻き込み力、教育行政との連携、郵便局員・郵趣家の協力、地方自治の補助金・助成金の活用、開店まで数年間の準備期間を設けたことなど、いくつかのポイントがあったことがわかりました。詳細は別稿としたいと思いますが、実に深くまで考え抜かれた再生プランであり、「中名田モデル」ともいうべき旧郵便局舎の復活事例といえるでしょう。

旧中名田郵便局

旧中名田郵便局と早春の田園風景

旧中名田郵便局のアクセス

所在地
〒917-0355
福井県小浜市下田41-17(コミュニティカフェ金四郎
金四郎プロジェクト|空き家になった実家の建物群の再生
旧中名田郵便局舎(国登録有形文化財)をコミュニティカフェとしてオープン。

アクセス
車:舞鶴若狭自動車道「小浜西IC」より23分
バス:小浜駅より[小浜市コミュニティ]あいあいバス「山左近」下車徒歩2分

雑誌記事に紹介されました

月刊『郵趣』2023年3月号(公益財団法人日本郵趣協会)の「郵趣家の書斎」に取り上げられました。(雑誌発行者の公益財団法人日本郵趣協会の厚意により転載しております。雑誌記事の再配布はお控えください)

旧中名田郵便局

旧中名田郵便局には郵便マークを配した瓦がみられる。

旧中名田郵便局

旧中名田郵便局に残る「夜間受付窓口」跡。中をのぞくと、ステキなカフェがみえる。

中名田郵便局の基本情報

旧郵便局舎から徒歩約3分のところにあります。

所在地
〒917-0355
福井県小浜市下田33-11-1

中名田郵便局の沿革
大正05.07.26 設置 三等無集局(告示読みは「なかなた」)
昭和16.02.01 特定無集局に改定
平成10.09.01 現読みに読替改称(旧読みは「なかなだ」とある)

沿革は『日本郵便局名鑑 』森 寿博 編著/武田 聡 追補/鳴美、2021年より。

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