野手崎郵便局の歴代局舎と変遷について|岩手県内の記録

野手崎郵便局の郵便局舎の変遷

野手崎(のてざき)郵便局は明治16年6月1日に五等郵便局として開局しましたが、明治18年1月15日に廃止されてしまいました。このときの局長は八巻(山巻)与六という人物で、場所は佐亀久治商店のあった舘下104番地に所在していたと伝えられます。その後、明治37年3月15日に野手崎郵便受取所として開局し、明治38年4月1日に野手崎郵便局に改定されました。開局時点では舘下105番地に所在しましたが、大正3年4月17日に2代目局舎に移りました。大正9年4月1日には集配業務を開始しています。

なお、奥州市江刺梁川舘下という地名ですが、野手崎城(小梁川館・高屋敷館とも)と呼ばれる陣屋があり、伊達氏四十八館の1つに数えられます。正保元年(1644)に小梁川氏が城代として入り、明治維新まで続きました。

野手崎郵便局

米里局・梁川集配所(野手崎郵便局の関連施設)。明治40年11月16日~明治41年2月まで使用。

 

野手崎郵便局

野手崎郵便局。大正3年4月新築~昭和39年11月。中央が6代目局長の今野正三郎氏。左手の懸垂幕には「祝応召 今野正三郎君」と読める。

野手崎郵便局

野手崎郵便局の局舎前・昭和18年3月撮影。出征前のものと思われる。

戦後の野手崎郵便局

野手崎郵便局は昭和39年11月に新しい局舎へと代わり、昭和60年5月からさらに次の局舎へと代替わりしました。ここでは江刺局から野手崎局へ通じていたバス託送便、野手崎の停留場から郵便局まで運ぶリヤカーなどの貴重な写真を紹介します。

野手崎郵便局

野手崎郵便局。昭和39年11月新築移転~同60年5月。昭和47年5月撮影(O)

野手崎郵便局

バス託送。江刺局から野手崎局へ。昭和47年5月撮影(O)

 

野手崎郵便局

野手崎郵便局。バス託送で停留所から局へ

野手崎郵便局

野手崎郵便局。局舎新築のため仮局舎。昭和60年6月撮影(O)

 

野手崎郵便局

野手崎郵便局。昭和60年8月改築~平成4年9撮影(O)

(荻田栄治さんのご厚意により収集された写真類をレトロ郵便局に掲載させていただきました)

野手崎郵便局の基本情報

所在地
〒023-1341
岩手県奥州市江刺梁川舘下91

野手崎郵便局の沿革
明治16.06.01 設置 五等郵便局
明治18.01.15 廃止

明治37.03.15 設置 郵便受取所
明治38.04.01 三等無集局に改定
大正09.04.01 集配開始
昭和16.02.01 特定郵便局に改定
平成27.03.23 集配廃止 引継:江刺

*沿革は『日本郵便局名鑑 』森 寿博 編著/武田 聡 追補/鳴美、2021年より。

資料提供:荻田 栄治(おぎた・えいじ)
交通史研究者・郵趣家。1941年に岩手県江刺郡岩谷堂町(現 奥州市)に生まれる。日本郵趣協会県南支部(岩手県)結成に尽力し、支部長に就任。2004年から10年にわたり江刺市行政区長(岩谷堂3区)を務めた。主な著作に1980年『江刺の郵便誌』が処女作。近著に2018年『北上川に架かる橋』がある。

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