別府市公会堂(別府市中央公民館・別府市市民会館)|吉田鉄郎の建築

別府市公会堂の概要

別府市公会堂は、大分県別府市に位置する歴史的な建物であり、現存する鉄筋コンクリート造の建物としては県内最古のものです。現在は別府市中央公民館及び別府市市民会館が入居しており、別府市指定有形文化財にも指定されています。この公会堂の設計は吉田鉄郎によるもので、彼のモダニズム建築の傑作の1つとされています。吉田鉄郎(1894年 – 1956年)は、日本の建築家であり、大正から昭和にかけて活躍した逓信建築の第一人者として知られ、多くの和洋折衷のモダニズム建築を設計し、その作品は日本の建築文化に大きな影響を与えました。別府市公会堂の設計にあたり、吉田はラグナル・エストベリ設計のストックホルム市庁舎の影響を受けたファサードデザインを採用しています。

別府市公会堂の正面部分

別府市公会堂の正面部分。平成28年4月に「別府市公会堂」としてリニューアルオープンした。

別府市公会堂の詳細情報

別府市公会堂は、1927年(昭和2年)に着工され、翌1928年(昭和3年)に竣工しました。RC造(小屋組みはS造)の構造で、地下1階、地上2階の建物です。敷地面積は2,692 m²、延床面積は3,101 m²に及びます。この公会堂の敷地は、別府市の市制施行を記念して建設されたもので、かつて麻生太吉の別荘があった場所も含んでいます。その後、別府市公会堂は1950年(昭和25年)に別府市市民会館に転用され、その後1962年(昭和37年)に別府市中央公民館に改称されました。1994年(平成6年)には別府市の有形文化財に指定され、2014年(平成26年)から2016年(平成28年)にかけて復原工事が行われました。この改修により、正面階段やホールのホワイエなどが当初のデザインに復原され、現代の建築技術を用いて空調・電気設備の更新、耐震補強、バリアフリー化などが施されました。

別府市公会堂は、DOCOMOMO Japanによる日本におけるモダン・ムーブメントの建築選定作品にも選ばれています。この公会堂は、吉田鉄郎のモダニズム建築の理念を体現するとともに、別府市の歴史と文化の一部として、現代に至るまで大切に保存され、活用されています。別府市公会堂は別府市の象徴的な公共建築として、これからも大切にされていくことでしょう。

別府市公会堂の正面階段

別府市公会堂-昭和42年からの改修工事でシンボルであった正面階段が撤去されたが、平成26年10月着工の改修工事で再度取り付けられた。

別府市公会堂のアクセス

所在地
〒874-0908
大分県別府市上田の湯町6番37号

アクセス
JR日豊本線「別府駅」から徒歩約10分

別府市中央公民館

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