旧横浜市外電話局の設計を担務|中山広吉

博物館として利用される旧横浜市外電話局

横浜のみなとみらい線には日本大通り駅があります。日本大通りは慶應2年の「豚屋火事」(関内大火)の反省から生まれた防火帯であり、ひときわ広くつくられた通り沿いは横浜の官庁街として発展しました。その一角に横浜港郵便局があるのはよく知られていますが、その向かいには横浜都市発展記念館横浜ユーラシア文化館という施設があります。ここはかつての横浜市外電話局(昭和4年・横浜市認定歴史的建造物)であり、洋式建築からモダニズム建築への移行期の逓信建築とされ、おそらく横浜市内に現存する唯一の逓信建築です。設計を担当したのは逓信省技師の中山広吉でした。

旧横浜市外電話局

旧横浜市外電話局(横浜都市発展記念館・横浜ユーラシア文化館)

郵政営繕部門トップを務めた中山広吉

中山広吉は明治29年、横浜村の名主の家系(9代目中山沖右衛門の次男)に生まれました。東京大学工学部建築学科を卒業したのち、大正10年に逓信省へ入省しました。中山は戦後の逓信省営繕部長および二省分割後の初代郵政建築部長を務め(電気通信省施設局建築部の初代部長は中田亮吉)、吉田鉄郎が退官したあとの組織を支えました。

旧横浜市外電話局

旧横浜市外電話局のアクセス

旧横浜市外電話局には2つの博物館が入居しています。横浜都市発展記念館は横浜が関東大震災から立ち上がり、都市横浜ができていくまでがわかる展示が楽しめます。一方、横浜ユーラシア文化館は東洋学者の江上波夫(1906-2002)が長年の調査研究を通して収集した資料が充実しており、オリエントや中央アジアの美術品などを鑑賞することができます。

所在地
〒231-0021
神奈川県横浜市中区日本大通12

アクセス
電車:東急東横線・みなとみらい線 日本大通り駅(3番出口)0分
電車:JR京浜東北・根岸線 関内駅(南口)から徒歩10分
電車:横浜市営地下鉄 関内駅(1番出口)から徒歩約10分
バス:横浜市営バス「日本大通り駅県庁前」下車徒歩1分

旧横浜市外電話局

旧横浜市外電話局に掲げられたプレート

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