かつて問丸を営んだ武藤家住宅|旧福良郵便局(福島県)

旧福良郵便局の概要

福良と聞くと、淡路島を思い浮かべるかもしれませんが、ここでは福島県の福良郵便局を扱いたいと思います。福良は白河街道の宿場町で、福良宿からみて西側が赤津宿・東側が三代宿となります。福良宿は会津若松からおよそ1日の行程だったことから宿をとる人も多くありました。安積郡福良村は昭和30年3月31日に湖南村(赤津・福良・三代を含む)が発足するまで存続し、昭和40年5月1日に郡山市の一部となりました。郡山市内にはありながら、路線バスは会津バスであり、会津若松との関係も深い地域です。

 

 

2代前の郵便局舎(右)

2代前の郵便局舎(右)

福良郵便局長を務めてきた武藤家(平成3年まで)はもともと福良宿で力を持っていた家であり、江戸時代は問丸を営んでいました。福島の民芸品として有名な赤べこですが、当時荷物は持久力に優れる牛が主力となって荷物の運搬を担っていたということです。福良郵便取扱所が開局したのは明治5年7月1日のこと。初代の郵便局長は武藤俊二氏でした。明治8年1月1日に五等郵便局に改定されました。記番印は「マ3」でした。「県内26番目の郵便局」ということです。

福島県・福良郵便局

福島県・福良郵便局に着信した明治42年5月の郵便はがき。

旧福良郵便局の詳細情報

令和4年7月が開局150年にあたることから、福良郵便局の関係者、武藤家でお祝いをされるようです。武藤家には土蔵が4棟あったそうですが、現在は1棟のみ。旧局長家と旧郵便局舎(2代目)は子孫の方が継承し、大切に維持管理されています。武藤家は郵便局長を務めるかたわらで生命保険の代理店などを営んでおり、当時の資料類も大切に保管してあります。

昭和30年代の郵便局舎であったことを示す夜間窓口跡

昭和33年12月24日までの郵便局舎。その名残を止める夜間窓口跡

旧福良郵便局のアクセス

所在地
〒963-1699
福島県郡山市湖南町福良中町

アクセス
車:JR東日本・磐越西線「上戸駅」から22分、JR東日本・東北新幹線・東北本線・磐越西線・磐越東線「郡山駅」から49分
バス:会津バス・上戸線「上戸駅前」から「福良大阪屋前」下車、徒歩1分

武藤家に伝わる旧郵便局舎の表示

武藤家に伝わる旧郵便局舎の表示

かつて福良焼という焼き物を製造していた。

かつて福良焼という焼き物を製造していた。

福良郵便局の基本情報

武藤家住宅のちょうど向かいに位置した場所にあります。(2022年6月時点)

所在地
〒963-1699
福島県郡山市湖南町福良中町80

福良郵便局の沿革
明治05.07.01 設置 郵便取扱所(現地資料では明治05.07.23)
明治08.01.01 五等郵便局に改定
明治14.07.25 四等郵便局に改定
明治19.04.26 三等郵便局に改定
昭和16.02.01 特定郵便局に改定
書留引受局記号:8782C
為替番号:82026

沿革は『日本郵便局名鑑 』森 寿博 編著/武田 聡 追補/鳴美、2021年より。

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