久高島簡易郵便局の概要
久高島簡易郵便局は島内唯一の集落の中心地に位置しています。すでに使われなくなって久しい公民館を解体して、平成17年3月3日の開局にこぎつけました。
気象条件の厳しい沖縄県内には今から50年前の沖縄返還前のレトロな郵便局舎は現存しないものと見られ、本サイトで取り上げる基準に当てはまる局舎は確認されていません。そこで復帰前の電信柱などを再利用した同局舎を紹介することにしました。
久高島簡易郵便局の詳細情報
郵便局長の内間さんはDIYもうまく、親せきの大工さんと協力し合いながら、局舎設備は少しずつ充実させていったそうです。簡易郵便局には別室が2部屋あり、民宿として釣り人やダイバーなどが民宿として利用しています。民宿が利用できるのは原則平日のみで、不定休もあります。事前に電話で確認の上、予約が必要です。
久高島のイザイホー
この島で行われる「イザイホー」(イザイボーとも表記)は、久高島の伝統的な宗教儀式であり、12年に一度、午年と亥年に行われます。イザイホーは、久高島の女性たちが中心となって行う宗教儀式で、主に島の守護神である「クニヨシノ神」を祀るために行われます。この儀式は、島全体が参加し、神聖な場所として知られる「イザトラガー」などで行われます。
イザイホーは数日間にわたって行われ、以下のような主要な儀式が含まれます。まず、儀式の前には参加する女性たちが特別な衣装を着用し、厳格な食事制限や清めの儀式を行います。次に、神を迎えるための儀式が行われ、特定の歌や踊りが披露されます。その後、中心となる儀式が行われ、新たな神女(ノロ)や巫女(ユタ)が選ばれ、神聖な力を授けられます。最後に、神を送り出すための儀式が行われ、島の繁栄と安泰が祈願されます。イザイホーは、久高島の文化と信仰の中核を成しており、島の人々にとって非常に重要な儀式です。この儀式は、女性の役割が非常に重視される点でも特異であり、伝統的な性別役割の観点からも興味深いものです。また、イザイホーは日本の無形文化財にも指定されており、文化遺産としての価値が高く評価されています。
昭和44年(1969年)10月3日にはイザイホーを描く琉球切手が発行されました。切手図案を担当したのは大城皓也氏であり、昭和41年(1966年)に久高島を取材したときには美術学校の同窓である岡本太郎氏が夫妻で同行しています。岡本をもっとも感動させたのは、御嶽(ウタキ)と呼ばれる聖域でした。「そこは神の降りるところ、神体も偶像も何もない、その何もいないことの素晴らしさに驚嘆した」(岡本敏子氏)ようです*。
*『琉球切手を旅する―米軍施政下の沖縄の二十七年』(与那原恵、中央公論新社、2022年、214-215頁)
久高島簡易郵便局のアクセス
所在地
〒901-1501
沖縄県大島郡龍郷町円652-2
アクセス
「那覇バスターミナル」から東陽バス38番に乗り「安座真サンサンビーチ入口」下車、徒歩5分で「安座間港」。フェリー・高速船に乗り久高島へ
「神の島」久高島の風景
久高島は猫の楽園のようです。島のあちこちに飼い猫、野良猫たちがいっぱい暮らしており、島の中を思い思いに過ごしています。人懐っこい性格の猫も多く、ちょっと癒されます。
久高島は、琉球の祖先神アマミキヨが降臨した「神の島」とされ、12年に1度(午年)の神事イザイホーをはじめ、さまざまな祭祀があります。島の北部にいくと、祖先神が降臨したと伝えられる「ハビャーン」、島内でも特別な資格をもった方しか入れない「イボー御嶽」などの聖地が複数存在します。本島側から久高島を遥拝する場所もあるほどで、島全体が独特の雰囲気に包まれています。
久高島簡易郵便局の基本情報
久高島には長いあいだ郵便局が存在せず、本島側の知念郵便局があるのみでした。平成17年に待望の郵便局が開局しました。沖縄県内で200局目の置局でした。
久高島簡易郵便局の沿革
平成17.03.03 設置 簡易局
*沿革は『日本郵便局名鑑 』森 寿博 編著/武田 聡 追補/鳴美、2021年より。