日本切手に裏糊が引かれた最初とは|明治5年

新貨条例と竜銭切手

「新貨条例」が、明治4年6月に太政官より布告されました。同年12月より、旧貨幣と新銭貨との交換が開始されたことを受けて、明治5年1月に郵便料金が文単位から銭単位に改定されました(銭百文=一銭)。翌2月(1872年4月)、半銭、一銭、二銭、五銭の新しい額面の切手が発行されています。

日本切手で最初の裏糊・目打入り切手

切手の図案は旧切手と同じ「龍」で、刷色もそれぞれ同じ色が採用され、額面を黒で印刷した新切手は「竜銭切手」と呼ばれます。日本切手としては初めて目打と糊がほどこされた切手でもあります*

*裏糊はあるのは半銭・1銭の一部であり、すべての竜銭切手に裏糊があるわけではありません。

文:近辻喜一(ちかつじ・きいち)

近辻喜一さん郵便史研究会会長。『新版・明治郵便局名録』(鳴美、2015年)校訂者として知られ、一般の方にも親しみやすい郵便史の解説で定評がある。多摩地域を中心とする郷土史研究者としての顔も持つ。

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