資料紹介|黒ポスト異聞 垂便箱と東京府違式詿違条例-前島 密 『郵便創業談』の逸話について 2024.10.01 郵便ポストの話題 黒ポスト異聞 垂便箱と東京府違式詿違条例(とうきょうふいしきかいいじょうれい)井上 卓朗郵便史研究会 『郵便史研究』(第57号)2024年10月はじめに垂便箱とは、トイレに間違えられた郵便ポスト(黒塗柱箱 図1)のことだ。明治5年に誕生したいわゆる黒ポストが、テレビの番組や雑誌な
琉球郵政の追憶|米軍の酸素ボンベを利用した代用ポスト(郵便ポスト) 2024.08.15 郵便ポストの話題 (写真:那覇市歴史博物館 提供)沖縄における郵便展開と戦後の歩み南西諸島は1874年(明治7年)1月に日本の郵便網に組み込まれました。日本の台湾出兵のため、通信手段の確保が急務となったのです。日本の郵便が停止したのは太平洋戦争末期の沖縄戦で、昭和20年(1945年)3月にアメリカ軍が沖縄に上
日本橋郵便局の郵便創業100年記念ポスト(令和6年5月撤去) 2024.04.28 郵便ポストの話題 日本橋郵便局の郵便創業100年記念ポスト郵便創業記念ポスト(昭和46年設置)は日本橋郵便局・本郷郵便局・大阪郵便役所跡(日本銀行大阪支店前)の3カ所に設置されました。ポストの制作会社は三和タジマ株式会社(制作時は株式会社田島順三製作所)で、ポストの上に乗っている彫刻は中嶋一雄作「地球と群像」です
集合郵便受箱と住居表示の整備|昭和30年代 2022.10.21 日本郵便史の知識 集合郵便受箱の設置昭和30年代半ばになると、日本の人口は大都市圏とその周辺に集中します。それに伴って建物の高層化集合化が進み階段を上り下りして郵便を配達することが多くなりました。そこで昭和36年にエレベーターのない三階建て以上の建物については、建物の出入口やその周辺に集合郵便受箱を設置することを
栃木県最古の現役郵便ポスト|湯西川温泉・本家伴久 2022.07.04 郵便ポストの話題 湯西川温泉・本家伴久とは栃木県日光市(旧栗山村)の本家伴久は湯西川温泉で最古であり、かずら橋で知られる老舗旅館です。そもそも湯西川温泉は、平重盛の六男平忠房が遠く落ち延びて湯西川温泉を永住の地に決めたと伝えられ、室町時代に伴忠光(平忠房の流れを継承)が湯西川温泉を再発見しました。この伴家が166
現役は1本?幻の郵便差出箱6号 2022.05.18 郵便ポストの話題 幻の郵便ポストとして知られる郵便差出箱6号郵便差出箱6号は昭和34年4月にできた郵便ポストで、法的根拠のある郵便ポストのうち、もっとも数少ない郵便ポストとして知られます。一般差出用の通常の郵便ポストの機能に加えて、配達郵便物前送保管を兼ねたもので、足がなく、左右に取り出し口があるのが特徴となって
高度経済成長期の名残|青ポスト 2022.02.08 郵便ポストの話題 青く塗られた速達専用ポスト郵便局のポストは赤いものが当然多いわけですが、中には黄色や緑色のポストなどの変わり種もあります。これらの多くは地域の景観に配慮したものだったり、ご当地の名産物にちなんだ色に特別に塗り直したものだったりするのですが、法的根拠があって青く塗られた郵便ポストも存在します。
日本に設置された最初の郵便ポスト 2022.01.31 郵便ポストの話題 郵便創業時点に設置された郵便ポスト日本でいちばん最初の郵便ポストが設置されたのは、日本初の切手である龍切手4種が発行された明治4年3月1日のことです。東京・京都・大阪(大坂)の市内と、東海道の宿駅に約100本のポストが置かれました。最初の郵便ポストは白木で作られていて、都市用ポストと街道筋に置か
郵便ポストが赤い理由について 2022.01.11 郵便ポストの話題 長かった「黒ポスト」時代日本のポストが赤いのは、イギリスに郵便制度を学んだからだと説明されることもありますが、公式には目に付きやすい色だからということになっています。日本郵便の父・前島密がイギリスに出張したのは明治4年のことでしたが、明治5年と明治20年に制定されたポストの色はいずれも黒でした。