黒川油田の開発とともに歩んだ重要文化財の局舎|旧羽後黒川郵便局 2022.12.30 レトロ郵便局舎 旧羽後黒川郵便局の概要大正3年(1914年)5月25日夜12時頃のことでした。日本石油五号井(三浦家所有地)から突然大量の石油が自噴し始めたのです。まもなく八郎潟の湖面の約2/3が原油で覆われました。ほどなく五号井近くに日本石油の社宅ができ、関係者約500名が暮らす大きな集落が誕生しました。地域
重要文化財 旧京都中央電話局西陣分局舎を遺す|岩元 禄 2022.06.09 逓信省技師の肖像 旧京都中央電話局西陣分局舎の概要レトロ郵便局、逓信建築を追いかけていると、逓信省技師の岩元 禄(いわもとろく)に行き着くことになります。岩元は鹿児島県生まれの建築家で、大正7年に東京帝国大学工科大学建築学科卒後、逓信省に入省しました。建築家として将来を嘱望されつつ、結核にかかり、29歳の若さで世
大山町所子の重要伝統的建造物群保存地区内に位置する旧大山所子郵便局 2024.12.31 レトロ郵便局舎 旧所子郵便局の概要大山所子郵便局 (だいせんところごゆうびんきょく)と読みます。この郵便局は、大山町所子の重要伝統的建造物群保存地区内に位置し、地域の文化遺産としても重要な役割を担っています。所子集落は、中国地方最高峰・大山の北麓に広がる扇状台地上に形成された農村です。集落内を通る大山参詣道(坊
レトロ郵便局と文化財の種類 2024.05.28 郵便局舎の鑑賞 レトロ郵便局と文化財登録制度レトロ郵便局が注目されている背景としては、国指定登録有形文化財の制度が平成8年(1996年)に始まったことが挙げられます。完成から50年を経過した歴史的建造物のうち、一定の評価を得たものを文化財として登録し、 届出制という緩やかな規制を通じて保存が図られるようになり、
富山・福野の山田家住宅洋館(南砺市)|吉田鉄郎の建築 2024.03.03 逓信省技師の肖像 吉田鉄郎は逓信建築、そして日本のモダニズム建築を牽引した建築家として、公共建築のみならず住宅設計においても顕著な功績を残しました。彼の建築キャリアを象徴する作品の1つが、南砺市福野に位置する山田家住宅洋館です。この建物は、昭和4年(1929年)に建築され、昭和13年(1938年)から翌年にかけて改修
赤レンガ棟として親しまれる法務省旧本館|司法省内郵便局 2023.05.03 岩手県内の記録 司法省内郵便局の沿革一般に司法省内郵便局として知られる局は麹町桜田門外郵便電信取扱所として明治36年(1903)9月11日に開局したところまでさかのぼることができます。明治38年(1905)4月1日に桜田門外郵便局(二等無集局)に改称・改定され、明治39年(1906)1月1日に司法省内郵便局と改
若狭鯖街道熊川宿の荻野家住宅|旧熊川郵便局 2023.03.28 レトロ郵便局舎 旧熊川郵便局の概要熊川宿(くまがわじゅく)は福井県三方上中郡若狭町にある 若狭と京都を結ぶ旧鯖街道の宿場です。明治5年7月1日に熊川郵便取扱所が設置されたのが今日の熊川郵便局の始まりです。昭和53年6月20日までは集配特定郵便局でした。郵便創業時は江戸時代の問屋を務めた荻野家が郵便取扱人を務めま
ブックカフェ・高級旅館として活用|柳田国男ゆかりの旧辻川郵便局 2022.06.15 レトロ郵便局舎 旧辻川郵便局の概要辻川郵便局は明治15年11月27日設置の西田原郵便局が始まりで、明治23年4月1日に辻川郵便局となりました。その後、昭和31年10月1日に福崎郵便局となっています。登録有形文化財となっているのは、三木家が郵便局長に就いたことを機縁に大正12年に自宅横に立てた旧郵便局舎で、昭和3
尾州廻船内海船船主 内田家(旧内田佐七家)|東端郵便取扱所(現・内海郵便局) 2022.05.17 レトロ郵便局舎 旧東端郵便取扱所の概要現在の内海郵便局の沿革を辿っていくと、明治7年6月に開設された東端(ひがしばた)郵便取扱所まで遡ることができます。明治12年3月に現名称に改称しました。江戸時代から明治にかけて活躍した旧内田家住宅(重要文化財)であることが注目されますが、郵便取扱所・郵便局として営業していた
旧山田郵便局電話分室|吉田鉄郎の出発点 2022.02.26 逓信省技師の肖像 旧山田郵便局電話分室の概要重要文化財の宇治山田郵便局舎はご存じの方も多いでしょう。現在は博物館明治村(愛知県犬山市)に移築されましたが、山田郵便局と同じ敷地内に山田郵便局電話分室が良好な状態で現存しています(西日本電信電話株式会社所有)。伊勢神宮外宮の北側にあたり、大正12年から昭和29年まで電