福井・尾張熱田間に独自の郵便路線を開設した福井県|明治4年

郵便会所(福井県)による独自の郵便制度

郵便創業は明治4年3月のことでしたが、当初は東海道のみに限定され、全国展開はまだ先のことでした。そこで福井県は明治4年10月ころには独自に新しい郵便の導入を図ったことが知られています。まず、同10月の日付で、木版刷りの「越前郵便之定」を管内に配布しました。現存のものとしては、上田重兵衛家文書、坪川家文書のもの(いずれも福井県文書館所蔵)が知られています。

「越前郵便之定」によれば、福井・武生・今庄の三か所に郵便会所を設置し、福井・尾張熱田間の郵便路線を開設し既設の東海道線と結び、毎月3と8のつく日に郵便業務を行うことになっていました。差し出す書状には「越前郵便 版元福井」の「切手札」を貼るものとし、福井県が主体となって郵便事業を行ったと考えられます。また、「同定」には「望ノ向ハ勝手次第可差出事」とあり、この制度は一般の公衆にも広く開放されていました。

「越前郵便之定」

「越前郵便之定」(書状差出時限等、書状賃銭表)。坪川家文書の一部をなす資料で、図版は福井県文書館提供*

*「福井県文書館保存文書等の掲載・放映等の承認について」(文書館第755号 令和4年8月4日)の許諾に基づいて、Webサイトに掲載しています。図版の二次使用等はお控えください。

福井県の官民往復郵便

福井県は、京都府・滋賀県・岐阜県・愛知県ほどではありませんが、一定数の官民往復郵便(地方管内官民往復郵便)が確認されている県でもあります。こちらは敦賀県時代ではありますが、明治7年1月に敦賀県租税課が武生町の戸長に宛てたものです。通常は書状料金2銭ですが、公用郵便的な色彩の強い低廉郵便料金が適用され、半額の1銭で送付されています。表題とは直接の関係はありませんが、福井県における近代郵便制度の一例として紹介させていただきました。

福井県の官民往復郵便(明治7年)

福井県の官民往復郵便(明治7年)

デジタルアーカイブ福井の「越前郵便之定(書状差出時限等、書状賃銭表)」(坪川家文書)はこちらから。

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