「不統一印」とは
全国の郵便取扱所では、それぞれ地元の印判屋に作らせた「不統一印」で切手を抹消しました。郵便の全国展開と並行するかたちで、千種類を超える独自の消印が使われました。郵趣界には不統一印の使用状況・使用時期などをデータベース化した文献類が整備されているため、郵趣家は使用済切手の消印から、その郵便物がどこの郵便取扱所でいつごろ処理されたものか特定することができます。
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西京郵便役所(京都)の不統一印(明治5年)
文:近辻喜一(ちかつじ・きいち)
郵便史研究会会長。『新版・明治郵便局名録』(鳴美、2015年)校訂者として知られ、一般の方にも親しみやすい郵便史の解説で定評がある。多摩地域を中心とする郷土史研究者としての顔も持つ。