旧広島逓信診療所の概要
山田守は逓信建築を代表する建築家の1人であり、巨匠の1人といえる存在でしょう。山田は東京逓信病院(昭和12年・現存せず)の設計者としても知られますが、病院建築として最初のものが広島逓信病院旧外来棟です。昭和4年から5年にかけて欧米視察を経て作風が変化していきます。ちょうど山田がモダニズムの傾向が強かった時期の建築物の1つで、昭和10年(1935年)に旧広島逓信局の附属病院として建設されました。
旧広島逓信診療所の詳細情報
旧広島逓信診療所は昭和20年8月6日に被ばくしますが、倒壊は免れました。原爆投下直後は数多くの負傷者が押し寄せ、職員は懸命な治療に当たったことが知られます。戦後も市内に残った数少ない医療機関として、医療面、調査面で重要な役割を果たしました。
中国郵政局(郵政省)は平成7年、旧外来棟の一部を被爆資料室として改修し、無料で公開しました。その後、広島市へ寄贈され、平成30年から広島逓信病院旧外来棟被爆資料室として公開しています。モダニズム建築としての美しさもさることながら、タイルやドアなどの建具なども美も楽しめる空間となっています。(要予約)
平成25年には「DOCOMOMO JAPAN選定 日本におけるモダン・ムーブメントの建築」に選定されました。
旧広島逓信診療所のアクセス
所在地
〒730-0004
広島県広島市中区東白島町19-16
アクセス
広島電鉄・白島線「家庭裁判所前駅」下車、徒歩2分
参考サイト
広島逓信病院旧外来棟被爆資料室(arch-hiroshima)
広島逓信病院旧外来棟の見学のご案内(広島市)
なお、広島市の中心部に位置しています。旧広島逓信診療所に隣接するかたちで日本郵政グループ広島ビルがあり、日本郵便中国支社・広島白島郵便局などが入居しています。