郵政省時代の郵便局とその種類について

郵政省の「現業事務」を行った郵便局とその種類について

郵政省設置法第8条には「郵務局の事務」が定められ、「5 郵便局を設置し、又は廃止すること」「6 郵便局における郵便に関する窓口取扱時間及び取扱事務の範囲を定めること」「7 郵便物の運送契約をすること」「8 郵便切手その他郵便料金をあらわす証票を発行し、及び売りさばき、並びに封筒、封かん紙その他郵便の利用上必要な物及び印紙を売りさばくこと」が定められています。また、郵便局は同法第15条の「地方機関」の中に位置づけられ、「3 郵便局は、地方郵政局の事務のうち、現業事務を行う」とあります。

郵便局は機能上、集配郵便局と無集配郵便局、鉄道郵便局、統括郵便局、指定郵便局、外国郵便交換局、外国郵便通関局、郵袋特別主管局、郵袋普通主管局、集中局、分配局、補助分配局、受渡局等など、さまざまな種類や呼称がありますが、郵便史研究者であっても分野や領域が異なればほとんど使わない局種もあります。ここでは鉄道郵便局末期に当たる昭和60年頃の定義に沿って郵便局の局種と定義を紹介していきます。また、こちらの記事「集配局と無集配局」も併せてご覧ください。

旧佐礼谷郵便局

愛媛県の旧佐礼谷郵便局。左手奥には先代の局舎が2棟現存する。

普通郵便局に分類される郵便局

・受渡局

郵便集配運送計画規程上の受渡局と郵便物区分規程上の受渡局とがある。前者は運送便が受渡所において郵便物を授受する沿線局であり、後者は鉄道郵便乗務員と郵便物の受渡しをする郵質局である(郵便集配運送計画規程46)。
*鉄道郵便の中で使用される場合が多いが、受渡場所は駅、港、空港等がある)

・指定郵便局

普通郵便局及び特定郵便局の給与、会計事務等を取り扱う郵便局(郵便局(鉄道郵便局を除く。)組織規程(昭和25年2月公達第9号)別表第2の2に掲げる郵便局)

・鉄道郵便局

鉄道郵使業務を取り扱う郵便局。(*のちの輸送郵便局)

・統括郵便局

各都道府県内郵便局の連絡統括事務を取り扱う郵便局。

郵便局に関連する用語

・共同局舎

同一の建物を郵便局としての用途のほかに、ほかの用途に共同使用しているもの。

・局所

郵便局、同分局又は分室・臨時出張所及び簡易郵便局の総称。古くから現業機関を総称して使用され、沿革的には郵便局、電話局、電信局等の「局」と郵便取扱所、電信取扱所等の「所」をとったものといわれている。

丸型ポスト

簡易郵便局とその関連

・簡易郵便局

簡易郵便局とは、簡易郵便局法(昭和24年法律第213号)により定められ、郵政大臣が郵便局の窓口で取り扱うべき事務を地方公共団体・農業協同組合・漁業協同組合。消費生活協同組合(職域のものを除く。)。一定の要件を備える個人に限定して、契約によって委託し、この受託者が、その受託事務を取り扱うものであって、その経営形態はいわゆる請負経営形態に属する。
簡易郵便局は郵便局の文字を使用しているが、郵政省の地方支分部局であるところの郵便局ではない。

・簡易郵便局規則

簡易郵便局法の施行に関して必要な事項を定めた郵政省令(昭24.7郵政省令7号)。簡易郵便局の委託契約等に関する事務執行者、簡易郵便局を委託する際の委託契約の申込みの方法、委託すべき事務の範囲・取扱時間・取扱休止日、簡易郵便局設置等の告示、簡易郵便局の標示、取扱手数料及びその支払方法等を定めている。

・簡易郵便局取扱手数料

簡易郵便局の受託者に対して取扱事務量に応じて支払われる手数料。一定の基本額、取扱件数に応じて支払われる取扱料及び現金出納手当・募集手当相当分による加算額とから成っている。

・簡易郵便局法

簡易郵便局の設置について、受託者の資格、契約の期間、委託すべき事務の範囲等基本的事項を定めている(昭和24年法律第213号)。

地域区分局及び地域区分局に関連する局種

・地域区分局

他地域の郵便局から送付された郵便物を受持地域内の郵便局へ差し立てる事務及び受持地域内の郵便局から送付された郵便物を他地域又は自地域の郵便局へ差し立てる事務を行う郵便局をいう。(*集配局の一種)

・集中局

郵便(小包)集中局は、大都市における郵便物の効率的な処理のため一部又は全種別の郵便物を集中して差立、及び到着処理をする郵便局である。(*地域区分局の一種)

・分配局

府県区分をして送付された郵便物を受持地域内の郵便局に送付する地域区分局をいう。(*地域区分局の一種)

・補助区分局

地域区分局の事務の一部を分担するため地域区分局から郵便物の送付を受け、又は受持地域内の郵便局から送付を受けた郵便物の差立事務を行う一般局をいう。

・一般局

地域区分局及び空港区分局以外の郵便局をいう。

昭和40年代の江刺郵便局

 

集配局と関連する局種

・郵便区

集配局が郵便物を配達すべき受持区域。全国どの地域でも、いずれかの集配局の郵便区に属する。原則として集配運送上の利便、要員の経済的効果的配置等を考慮して、行政区を基としてこれを分割しないように設定される。ただし、道路、交通その他の事由により分割することがかえって郵便物の集配上利便な場合又は1行政区内に集配局が2以上設置される場合は、行政区を分割して設定することがある(郵便集配運送計画規程4.5)。

・差立局

郵便物の差立事務を取り扱う郵便局。通例集配局であるが、無集配局も差立事務を行う限り差立局である。

・集配特定郵便局と集配普通局

集配業務を行う郵便局は、特定郵便局と普通郵便局に大別される。
特定郵便局
特定郵便局長を長とする郵便局
普通郵便局
特定郵便局長を長とする郵便局以外の郵便局

・集配分室

集配事務を取り扱う分室である。配達業務だけを行うものと窓口機能を併せもつものがある。集配分室は、郵便局の位置が偏在していたり、受持区域が広大であったり、遠隔地域が著しく発展していたり、交通不便の地形であった場合あるいは局舎が狭あいなための作業難を救済するために設けられる。年末年始仮設分室(年末年始繁忙期に増加する郵便物を処理するため臨時的に設けるもの)とは異なる。

・集配事務の開始・転換・廃止

地況の発展等に伴い、新たに集配局を設置し、この集配局において郵便物の集配事務を始めること及び集配業務上適当と認められる位置に無集配局がすでに設置されている場合、この無集配局に集配事務を移管し集配局とする措置をいう。
過疎化の進展、郵便集配業務の合理化のため、集配局の統合を実施した結果、集配局から無集配局となることを「集配事務の廃止」という。
同一郵便区内又はその周辺郵便区において、集配事務の開始及び廃止が同時に実施される場合、これを「集配事務の転換」という。
集配事務の開始及び廃止は郵便局長の承認により実施することとなっている(郵政省職務規程14、25)が、一定の条件を具備する場合には郵政局長限り実施できる(通達昭45.10.23郵郵集67号)。

現在の横浜港郵便局

現在の横浜港郵便局

外国郵便に関連する局種

・交換局

郵便物を直接に外国に差し立て、又は直接に外国から受け取る事務(交換事務という。)を扱う郵使局(外国郵便取扱規程41)。
取扱事務から、交換局は次の種類に区別される。もっとも大部分の郵便局はこれらの事務のうち2以上をあわせ行う。①差立交換局―外国あての郵便物を集中し、国別、種類別等に開袋を作成し、外国の交換局に送付する局。②到着交換局―外国で作成した閉袋が直接送付されてくる局。③積出交換局―外国あて閉袋を船舶又は航空機に直接引き渡す事務を扱う局。④陸揚交換局―外国来の開袋を航船又は航空機から直接受け取る事務を扱う局。⑤仲介交換局―外国相互間に発着する郵便物の継越事務を扱う局(外国郵便通関交換事務取扱規程41注3)。

・通関

関税を課されることがある物品を包有する外国郵便物を郵便局が税関検査に付するために必要な作業。本邦と外国との間に発着する郵便物は、信書を除いて税関検査を受けることになっており、郵便局に駐在する税関に交付され、郵便局員立会いの上検査が行われる(関税法76、同施行令66)。このような郵便局は、外国郵便通関局と称する。

・通常局

外国郵便の取扱郵便局のうち、外国郵便物の交換事務(外国との間の)及び通関事務を取り扱わない郵便局をいう。交換局及び通関局に対する名称である(外国郵便取扱規程4Ⅳ、外国郵便通関交換事務取扱規程4Ⅳ)。

切手類の配給に関わる局種

・配給局、一般分任局

指定局、受持郵便局等規程の別表の「指定局」欄に掲げる沖縄郵政管理事務所及び郵便局をいい、一般分任局とは、配給局以外の分任局(鉄道郵便局を除く。)をいう。配給局は、特別の場合を除き、本省から送付される切手類を受持の一般分任局へ配給する。
また、配給局は、当該受持渡切局の変動管理額に関する事務をつかさどる。

・売渡郵便局

郵便切手類及び印紙の売りさばき人並びに印紙の売りさばき人が、その必要とする郵便切手、郵便葉書、郵便書簡、収入印紙、重量税印紙、特許印紙、登記印紙等を買い受ける郵便局。売渡郵便局は、業務委託書によって指定される(郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所規則
9、同規程附録様式1)。

野手崎郵便局

野手崎郵便局(岩手県)の郵袋を積んだ路線バス

郵袋の運転に関わる局種

・郵袋の運転

郵袋を全国的な規模で過超局から不足局へ回収補給する操作のこと。運転方法は次のとおりである。

  1. 一般局(郵袋運転上の一般局)においては、過超郵袋の送付及び郵袋補給の請求は郵袋普通主管局に対して行う。
  2. 郵袋普通主管局においては、受持区内局相互間の操作を行い、過超郵袋の送付及び郵袋補給の請求は、郵袋特別主管局に対して行う。
  3. 郵袋特別主管局においては、受持郵袋普通主管局から郵袋補給の請求を受けた場合、自局又は自局受持区内相互間の操作によっても補給できないときは、郵務局に対し、ほかの郵袋特別主管局又は受持区内局から補給するように請求する。

ここに示す郵便局の定義や用語解説は『最新 郵便用語事典』(郵便用語事典研究会/編、ぎょうせい/発行、昭和61年)によった。赤い印(*)は理解しやすくするための補足。

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