万国郵便連合加盟がもたらしたもの|明治10年

万国郵便連合への加盟

明治10年6月、日本が3年前に創設された万国郵便連合(UPU)に加盟しました。連合加盟国は、それぞれ二国間条約を締結することなく、連合の単一条約に基づいて加盟国相互で郵便が交換できるようになるのです。その後、イギリスとフランスの在日郵便局も撤退し、わが国の郵便自主権が完全に樹立しました。明治14年の外国郵便の実績は、差出41万通・到着47万通までに増加しています。

特印を押印した万国郵便連合加盟50年記念10銭

外国郵便用はがき

明治10年11月20日には最初の外信はがき3種(三五六はがき)が発行されました。3銭がアメリカ及び上海など清国開港場あて、5銭がアメリカ経由のUPU諸国あて、6銭が香港経由のUPU諸国あてでした。その後、外国郵便料金の改訂で、12年6月30日に2銭(アメリカ、香港、上海、カナダ、ウラジオストクあて)と3銭(その他のUPU諸国あて)の2種類(薄手唐草)となりました。

文:近辻喜一(ちかつじ・きいち)

近辻喜一さん郵便史研究会会長。『新版・明治郵便局名録』(鳴美、2015年)校訂者として知られ、一般の方にも親しみやすい郵便史の解説で定評がある。多摩地域を中心とする郷土史研究者としての顔も持つ。

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