郵便法(旧)の制定とその意義|明治33年

明治33年の郵便法制定

郵便法(明治33年法律第54号)は、近代国家としての法整備の一環として制定されたものです。公布は明治33年3月12日、施行は10月1日でした。同法は明治15年に公布された郵便条例が基礎になっています。郵便条例は当初15章249条の大条例になっていましたが、郵便法は約5分の1の条数、58条の法律です。違いは、条例が具体的な手続なども含めて規程しているのに対し、法律では基本的な事項に絞り、その他手続などの決まりについては下位法令の命令などに委ねている点です。

国立公文書館に保存されている郵便法原本の一部(明治33年)

郵便法の主な内容

第1条で郵便の政府専掌をうたい、第17条で郵便物は通常郵便物と小包郵便物とし、第18条で通常郵便物の種類と料金を定めています。小包と特殊取扱の料金は命令で定めることとしています。書状(第一種)は重量四匁またはその端数ごとに3銭、通常はがき(第二種)は1銭5厘としています。明治30年の「貨幣法」により平価が半分に切り下げられたので、明治32年4月に行われた基本郵便料金の改正は実質的な値下げといえます。

なお、郵便関連法として、郵便為替法、鉄道船舶郵便法、電信法が同時に公布・施行されました。

*トップの写真は京都郵便電信局(現・中京郵便局)です。明治35年竣工ですが、当時の郵便局の雰囲気を伝えるために選定しました。

文:近辻喜一(ちかつじ・きいち)

近辻喜一さん郵便史研究会会長。『新版・明治郵便局名録』(鳴美、2015年)校訂者として知られ、一般の方にも親しみやすい郵便史の解説で定評がある。多摩地域を中心とする郷土史研究者としての顔も持つ。

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